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第25期棋聖戦七番勝負、12日から 新世紀飾る頂上対決
◆粘り強い布石の趙/勝負所押さえる王 ――今期から制度を改正し、本戦はリーグ戦になりました。七番勝負の予想の前にひとこと感想を。 大竹 リーグ戦は腰を落ちつけて打てる意味があっていい。賛成です。 加藤 棋士の間でも評判は悪くなかった。同時に入ったのになんで序列があるんだと、一部に不満はあったようだけど、最初だから便宜的に順位をつける必要はあるわけだし、しかも事前に決めてある規定だからね。 大竹 そうだね。むしろ問題は陥落の人数。各組三人落ちるくらいのほうが緊張感があっていい。 ――検討事項としておきます。で、挑戦者決定戦は趙善津九段と淡路九段になりました。 大竹 順当だと、趙―趙対決だったんだろうけど、淡路君が持ち味を出して頑張ってくれたということでしょうね。ただ治勲さんは名人戦の防衛戦の最中で、そのつらさはあった。 加藤 治勲さんとの碁がすべてでしょう。「勝負あり」とみんな帰ってしまった。ところが翌日確認したら、淡路君の「半目勝ち」、なんで半目になるのか不思議だった。一方の善津さんは本因坊を取られてから絶好調になった。経験があるからわかるけれど、タイトルを持っていると、自身がぬるま湯につかっていることがわからない。で、奪われて初めて気がつくんだ。善津さんもそうだったのかもしれない。 ――で、決定戦は善津九段が勝って、初の棋聖挑戦です。王棋聖との対戦はこれまで四勝四敗の五分です。 大竹 あまり大きな棋戦で対局していないから、新鮮な感じがします。 加藤 立誠君に五分というのは大変なことだね。立誠君に勝ち越している棋士はそうはいない。 大竹 二人とも序盤から中盤にかけてというより、中盤から後半にかけて力を発揮するタイプだけれど、その中身は違うんだよね。善津君は狙っている碁だし、若さ体力もあって一局ごとに強くなる。立誠さんにとってはやりにくいタイプでしょう。 加藤 善津君は戦いにも強いし、粘りもあるからね。これまでの直線的な強さに加え、柔らかさもでてきた。立誠さんの得意とする展開になるかどうか。 ――王棋聖の碁について。 大竹 完ぺきな強さというわけではない。弱さもあるけれど、なにか計り知れない強さがある。対局している相手が何かプレッシャーを感じるんだよね。 加藤 中盤以降の見方が幅広くて、柔軟ですよね。 ――棋聖奪取後の調子はいま一つといわれていますが。 加藤 それはないと思う。棋聖を取ってほっとしていたところもあったけど、急所ではちゃんと勝っているし、万全の態勢で出てくる。勝負所というか、そういうところはすごいから。 ――では、勝敗予想をお願いしましょうか。 大竹 ストレートはないが、七番までいくとも思えない。六局で決着なら四―二で立誠君。七局にもつれ込めば善津君。 加藤 立誠君に勝つのは大変なことだと思うけれど、立誠君もちらっと苦手意識もあるはずで、四―二で善津さん、としておきます。 ――どうもありがとうございました。 《過去の対戦は互角 闘志燃やす2人》 ◇王立誠棋聖41 ◆棋聖の座、もう一期 棋聖を取った後は成績も内容も不本意、ちょっと気が緩んだのかもしれません。七番勝負に向けて気持ちを切り替えます。 趙九段は調子が良さそうです。手厚く、息の長い碁で強敵です。 台湾での第1局は楽しみです。これをプレッシャーにしていい碁を打ち、七番勝負の流れを作るきっかけにしたい。 もう一期、棋聖の座にいたいですね。 ◇挑戦者 趙善津九段30 ◆真剣勝負、修業の場 リーグ戦は内容が悪く挑戦者になれるとは思っていなかった。(成績がいいのは)我慢が出来ているということでしょうか。 王棋聖は乱戦に強く勝負強い。そう簡単には勝たしてくれません。 ボクの碁は行き当たりばったり。普段はあまり勉強をしないので、王棋聖との真剣勝負はいい修業の場になります。精いっぱい戦って、いい時間を過ごしたい。 ◇ ◇おう・りっせい 1958年、台湾南投市出身。71年来日、72年初段、88年九段。95年王座戦で初タイトル。98年、99年、王座連覇。2000年、中国の世界選手権戦「春蘭杯」優勝。昨年の成績は31勝18敗。 ◇ちょう・そんじん 1970年、韓国光州市出身。82年来日、84年初段、98年九段。99年趙治勲本因坊の11連覇を阻んで本因坊となり、初の三大タイトルの一つを獲得。2000年、本因坊防衛に失敗。昨年の成績は25勝15敗。 ◆第1局は台湾・台北市で
◆棋聖戦 過去の戦績
◆リーグ戦結果 Aリーグ
Bリーグ
◆王VS趙 過去の対戦
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