棋聖戦
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第28期 棋聖戦七番勝負 第6局(新潟県六日町 龍言)

◆ 山下勝ち3勝3敗、決着は最終第7局へ

黒番:山下敬吾 棋聖 6時間50分 177手完
白番:羽根直樹 天元 7時間59分 (持ち時間各8時間)
午後5時43分終了 黒中押し勝ち
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棋譜

第28期棋聖戦7番勝負(読売新聞社主催)、山下敬吾棋聖(25)と挑戦者、羽根直樹天元(27)の第6局は10日午前9時、新潟県六日町の「龍言」で始まった。羽根が4勝目を挙げて棋聖位を奪取するか、第4局から連勝している山下が3勝3敗のタイに追いつくか。シリーズ終盤の大一番だ。

 対局室は12畳の和室。関係者が待ち受けるなか、山下が午前8時57分、羽根はその1分後に入室。定刻、立会人の小島高穂九段が「それでは始めて下さい」と両者に声をかけ、対局がスタートした。解説は片岡聡九段、記録係は金沢秀男六段と河合将史四段、NHK衛星放送の解説は山田規三生八段、聞き手は万波佳奈女流棋聖。

 先番山下は黒3まで右上と左下を小目に構え、羽根は左上小目と右下星の布石。左下で、黒9のハサミに羽根が白10と大ゲイマにかけてから「村正の妖刀」と呼ばれる大型定石に進んだ。

 白22の厳しいハサミから、左辺の攻防が焦点となった。最初の勝負所を迎え、両者とも一手ごとに時間をかけている。

 特に昼食休憩後の白28のコスミは52分、黒31の曲がりは1時間15分の大長考。その後の変化が多様で、際どい攻め合いも秘めているだけに、慎重そのものだ。ここまでの消費時間は山下が2時間17分、羽根が2時間41分となっている。

 羽根は白32と左辺の模様を大きく広げた。山下が黒33と白を分断したのに対し、羽根は白42と割り込み、難解な接近戦になった。

 羽根は白50の割り込みからコウ材を作り、白56、58とコウ争いを決行。山下の対応が注目されたが、黒61とコウを解消。羽根が白62と黒6子を取り込み、振り替わりとなったところで、山下が63手目を封じた。

 2日目朝、小島九段が開いた山下の封じ手は、予想された一つ、黒63の小ゲイマジマリ。白の打ち込みを防いだ自然な手だ。

 羽根は白64と左辺に手を回し、黒を押さえ込む。山下は黒69から堅くはねついだ。ここで羽根は一転、白72と右辺の大場に展開した。左辺の白は、黒から取りにいく手段があるが、羽根は白70までを利かしとみて手を抜いたようだ。

 黒75の出は20目以上の大きな手。白76の詰めに、山下は黒77と白模様を消す。両者とも慎重に形勢判断をし、一手ごとに時間を使っている。黒79の後、昼食休憩に入った。

 再開後、羽根は白86まで黒を分断、94と中央黒に襲いかかり、黒のシノギが焦点となった。羽根は白104と厳しく攻め立てている。ここまでの消費時間は、山下が5時間4分、羽根が7時間29分と、大差がついている。

 山下は攻め合いに持ち込もうとしたが、白116を見て珍しくぼやいた。誤算があったのだろう。攻め合いには勝てないと判断したようで、一転、黒117と左下の切りに回った。羽根は右辺を、山下は左辺を取る大振り替わりとなった。

 その後、羽根は下辺をえぐったが、山下は黒133のオキで左下の白を取り、優勢になった。さらにシチョウ形を利用して中央の形を整え、下辺を先手で寄せた。

 最後は、地合いが足りないとみた羽根が投了した。2度にわたり大振り替わりが出現する激闘だった。山下は3連敗後の3連勝。

 山下棋聖の話「右辺の攻め合いに錯覚があり、碁をダメにしたかなと思った。勝てたのは運が良かった。最終局まで来ることができてうれしい」

 羽根天元の話「初めの振り替わりは白が悪いと思っていた。一時は勝負になったかと思ったが、左下の簡単な死活を見損じてしまった。次も今まで通り一局一局という気持ちでやりたい」

 最終の第7局は17、18日、静岡県土肥町の「玉樟園新井」で行われる。

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第5局の結果  第7局の結果

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