棋聖戦
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第28期 棋聖戦七番勝負 第7局(静岡県土肥町 玉樟園新井)

◆ 羽根新棋聖誕生

白番:山下敬吾 棋聖 7時間55分 1−155手
黒番:羽根直樹 天元 7時間54分 (持ち時間各8時間)
午後6時42分終了 黒中押し勝ち
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棋譜

 第28期棋聖戦7番勝負(読売新聞社主催)、山下敬吾棋聖(25)と挑戦者、羽根直樹天元(27)の第7局は17日午前9時から静岡県土肥町の「玉樟園新井」で始まった。羽根が3連勝した後、山下がタイに持ち込んで迎えた最終局。山下が勝てば初防衛、羽根が勝てば初の棋聖獲得となる。棋聖戦7番勝負が最終局までもつれ込んだのは、小林覚棋聖に趙治勲本因坊が挑戦した第20期以来。

 対局場は駿河湾を見下ろす丘陵にある。囲碁のタイトル戦は1988年以来、本因坊戦と王座戦が計7回行われ、99年には藤沢秀行名誉棋聖の引退碁第3局も行われている。

 対局室は10畳の和室。羽根、山下の順に入室、立会人の武宮正樹九段の合図で握り直し、羽根の先番と決まった。羽根の第1手は右上小目。白6から8まで互いに相手のカカリなどに手を抜き、「我が道を行く」布石となった。解説の趙善津九段は「早くも見慣れない形。どちらも意欲的」と話している。

 羽根は右上と下辺で地を稼ぎ、山下は白18と上辺を大きく構えた。実利対模様。両者の棋風がよく表れた進行だ。

 白22のカカリから右下で激しい戦いが始まり、黒31を見て山下が長考に入ったまま昼食休憩となった。

 午後1時に再開。山下は下辺を動き出すのは成算がないとみたのか、白32と右辺を押さえた。1時間12分の大長考だった。羽根は黒33と手堅く黒3子を抱え、右下を確定地とした。先手を得た山下は、白36から右辺を盛り上げる。

 黒39の打ち込みから戦いの場が上辺に移った。黒41の伸びは、最近の羽根を象徴する力強い手。黒のサバキが焦点となり、山下は攻めながら左上の白模様を拡大。白50とのぞいた局面で、羽根が43分考えて次の手を封じた。趙九段は「左上にどれだけ白地がまとまるかが今後の見どころ」と話した。

 18日午前9時に再開。前日の手順を並べ直した後、武宮九段が開いた羽根の封じ手は、控室の予想になかった黒51のブツカリ。この手ではツギ(11七)が普通で、羽根が相手の注文を外した格好だ。

 黒からの攻めを阻止し、右辺を囲う白58のノゾキが利かしとなり、先手を得た山下は白60と左辺で地を稼いだ。控室では、この手で61の二間跳びを推す声が強かった。

 山下が白62と黒の勢力圏に踏み込めば、羽根も黒63と白模様を荒らす。中盤の勝負どころだ。黒65のツギの後、昼食休憩に入った。

 再開後、左辺で白は黒3子を抱え、黒は外から白を締め付ける分かれに。羽根が黒87と大きく下辺を囲おうとすれば、山下は白90と上辺の黒を脅かし、白98と荒らす。両者、手順を尽くした攻防となっている。

 左下の折衝で、白106の膨らみが非勢を意識する山下の勝負手。眼形を奪われるのは承知の上で、白108と頭を出す。黒の薄みを突いてしのごうという構想だ。ここから壮絶な戦いとなったが、羽根は右下の攻め合いを読み切っていたようで、黒131から白を討ち取った。さらに左下でも攻め合いに勝ち、勝勢となった。山下は白148と切って勝機を見いだそうとしたが、羽根は冷静に応じて逃げ切った。

 羽根新棋聖の話「初戦から3連勝して結果を意識し、碁がおかしくなってしまった。最終局は開き直り、いつも通りの碁が打てました。(棋聖となった)実感はまだありません」

 山下棋聖の話「シリーズの初めは全く碁にならず、見せ場をつくれないまま終わるのかと思いました。最終局まで来れて、ファンの方も楽しんでくれたのではないでしょうか」


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